「枯葉マーク」というものがある。75歳以上のドライバーが普通自動車を運転する時には、自動車に貼り付けなければならない「高齢運転者標識」を指す俗語である。「初心者運転標識」を若葉マークというのに対して、この呼び名がついたのであろう。しかもデザインコンセプトも紅葉した葉っぱをモチーフしたものだそうだ。
このような標識の提示を義務付けた制度は評価できる。道で「枯葉マーク」をつけた自動車に遭遇した場合、のろのろと走っていても許せてしまうし、その車の近くに寄らないということで危険回避もできる。
しかし、しかしだ。「枯葉マーク」とは何だ。
高齢者がつけるマークだからといって、「枯葉」はいくらなんでもリアル過ぎるだろ。
なんて、安易な発想だ。「とんがりコーン」と同じぐらい安易だ。
オレがじじいになった時、このマークを車に付けるのは非常に抵抗感がある。「そうか、オレはもう枯葉なんだな。後は散るのを待つだけなんだな。」と憂いてしまうに違いない。ひょっとして、これがきっかけでうつ病になってしまうかもしれない。
「高齢者運転標識」を安易に「枯葉マーク」としてしまうということは、高齢化社会に対する冒涜であり、大きな社会問題なのである。
標識というのは、絵柄と意味が世に認知されれば役割を果たせるものだから、絵柄で内容をイメージできなくてもいいのだ。「桜マーク」でも「タンポポマーク」でも、これが「高齢者運転標識」だと決めれば、その機能を果すことが出来る。
つい、勢いで書いてしまったが「桜マーク」なんていいじゃないか。温かい家族に囲まれて幸せに暮らしている感じがする。「タンポポマーク」もいい。生き生きと第二の人生を堪能している感じがする。
どうせだから、新しい標識をオレが考えてやろう。桜もタンポポもいいが、一押しは、
「カッパ」だ。
かわいい。ちょっと想像してみてくれ。高齢者の運転する車には、みなカッパの絵が張り付いているのだ。
なんだか、とても心が和む。
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