散発パート2。
2003/02/16

 
 美容院や床屋が嫌いなことは、以前に書いた。
 あれからずいぶん時間が経ったが、やはり苦手なままだ。よって、相変わらず自分で髪の毛を切っている。

 そして、ついに秘密兵器を手に入れた。セルフカット用のバリカンである。
 これで、もう無敵である。ははは、参ったか、美容院、床屋ども。あの屈辱的な思いとは永遠におさらばできるのだ。

 いつものようにはさみでバッサバッサ切り落としていく。瞬く間に、アーチストっぽい髪型のいい男が出来上がる。ぐはは。

 ぐはは。
 さて、仕上げだ。キュピーンと秘密兵器を取り出す。
 使い方は、付属の取り扱い説明のビデオで完全にマスターした。ぐはは。

 ジョリ、ジョリ、ジョリ。
 うーん、いい感じ。

 ジョリ、ジョリ、ジョリ。
 お、思ったよりよく切れるね。

 ジョリ、ジョリ、ジョリ。
 あ、ちょっと切りすぎたかな。じゃ反対側もジョリ、ジョリ、ジョリ。

 んー、ちょっとここは変だな。ジョリ、ジョリ、ジョリ。

 ジョリ、ジョリ、ジョリ。
 ジョリ、ジョリ、ジョリ。

 やがて、鏡の前で呆然と立ち尽くすオレがいた。

 「大変言いにくいのですが。」
   はい。

 「落ち着いて聞いてください。」
   はい。

 「残念ながら、手遅れです。」

 ぎょええええっ。やっぱりそうなのねぇぇぇぇぇ。

 かくして、寒風吹きすさぶ季節に、オレは髪をすべて失った。
 

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