笑う角には福来る。
笑うと言う行動は、人間と高度に発達した霊長類だけに見られる行動である。
この笑うと言う行動、毒物を吐き出す時の表情筋の動きが起源で、やがては、生まれたばかりの子供が、母親に守ってもらうための本能的な行動に発達したと言われている。チンパンジーなどにおいては、他の仲間とコミュニケーションをとる際、自分が敵意を持っていないことを示す時にも笑うとのこと。
詳しく説明すると長くなってしまうので省略するが、つまりは、無防備で安心している状態、リラックスしている状態の表情なのである。
近年、この笑いと言う行動が、免疫機能を高める効果があることが分かってきた。
落語や漫才、喜劇などを見て大笑いすると、血中のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が飛躍的に活性化するというデータも報告されている。ガン患者の治療として、吉本新喜劇を観劇する医療機関もあるとかないとか。パッチアダムスが笑いを医療現場に持ち込んだことも、この効果が明らかになるにつれ、脚光を浴びるようになった。
逆に、笑顔を作ると、表情筋に脳が刺激されて、笑ったのと同じリラックス効果があることもわかってきた。
つまり、笑顔を作るとリラックスすることができ、心もほぐれると言うわけだ。
陸上の100m走など瞬発力を必要とするスポーツ、笑顔でプレイすると、体がリラックスしてより実力が出やすいというスポーツ医学の研究もある。ジョイナーが笑って走っているのは、その効果を狙ったものである。
ちなみに、今回はマジだから。これは本当の話です。イトウケンジ、多岐にわたって豊富な学識を持っているんです。
さて。
笑うしかないでしょう。ははははは。
うむ。面白くもないのに笑うのはなかなか難しいね。
うわっはっはっはっ。ぐわっはっはっ。
ちょっとだけ調子が出てきたかな。
わははは、わははは、あーっはっはっはっ。
ふぅ。疲れた。無理かな、やっぱり。無理やり大笑いするのは。
ガルルルル。ウーッ、ワンワンワン。
お、これならいけます。
ガルルルル。
机の上とかによじ登って、ガルルルル。
扉をガチャリと開けて、ガルルルル。
辺りを注意深くうかがって、ウーッ、ワンワンワン。
ガルル、なかなか楽しい。
ガルガル言いながら家中を駆け回った。
洗面所に入ったところで、鏡の向こうのオレと目が合った。
ガル。・・・・・。
何やってんだか。
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