匂い。
2003/07/01

 
 オレは、夕食の食材の買出しに、スーパーマーケットに出かけたりもする。
 イトウケンジ、こう見えても結構家庭的なんです。

 青果コーナーを抜け、鮮魚コーナーを曲がり、乾物コーナーや生肉売り場をこえた所に、それはある。

 惣菜コーナーだ。

 若鶏の竜田揚げ、から揚げ、ローストチキンのマスターソースあえ、かき揚げ、てんぷら、春巻き、串かつ、焼き鳥など、プロの手によって調理されたばかりの美味そうな料理が並んでいる。様々な料理の放つ強烈に美味そうな匂いに、オレのハートは鷲づかみにされてしまう。

 買い物カゴに入れた、キャベツ1/4カットとか、ピーマンとか、豚ばら肉250gとか、すべて売り場に戻し、その美味そうな匂いの料理を、片っ端から買って食べたい衝動に、突き動かされる。

 頭がクラクラするほどの欲求を制し、オレはレジへと突き進む。
 セクシーな女性に体を密着されて誘惑されているのに、それを撥ね退けて、我が家に帰る。そんな心境だ。スーパーマーケットは精神修行の場である。

 オレの心を、これほどまでに揺さぶる匂い。今回は匂いについて書きます。

 アロマセラピーとか、アロマダイエットとか、近年になって匂いの精神への影響が科学的に解明され注目されている。匂いはすごいのだ。

 匂いと言えば体臭だ。

 体臭について面白い研究があるので紹介したい。
 男性が、丸1日着用したTシャツを数名分用意し、女性にそれの匂いをかいでもらう。男が丸1日着たシャツだから、どれもこれも臭そうなのだが、結果は意外なものだ。臭くてたまらないというシャツもあれば、この匂いなら我慢できるシャツもあり、「あら、良いにおいだわ。」と言うシャツまである。そして、「あら、良い匂いだわ。」と感じるシャツが、一人一人、その人によって、違うのだ。

 シャツに染み付いた匂いは、すなわちフェロモンであり、異性に対し性的にアピールするものである。生物は、優性遺伝の本能を持っていて、自分と遺伝子配列がなるべく異なった異性と交配しようとする。 フェロモンは、その判断材料であり、人もその嗅ぎ別けをする能力があると言うわけだ。

 よって、「あら、良い匂いだわ。」と感じた体臭の持ち主こそ、遺伝子的には、ベストな交配相手であると言うことである。

 となると、交際相手を見つける際には、風呂なんか一週間ぐらい入らずに、体臭をプンプンさせておかなければならない。ナンパとか、お見合いとか、合コンとか、男女の出会いの場には、体臭をプンプンさせていくべきなのである。

 体臭に顔をしかめて退いた相手は、遺伝子的にベストな異性ではない。逆に、嫌な顔をしないで近づいてきた相手は、優秀な子孫を残すのにベストな異性であると考えてよい。

 そいつが体臭フェチであるという危険性もあるが、ま、気にしないことだ。
 

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