アジノモトっ。
2003/08/05

 
 海外では、日本語の書いてあるTシャツが密かなブームになっているらしい。「何が書いてあるか分からないけど、カッコいい。」と、老若男女を問わず、幅広い層に支持されている。日本語は、クネクネ、カクカクしてて、どこかミステリアスで、最高にクールなんだとか。まぁ、日本語の文字そのものが、デザインモチーフとして歓迎されている訳ですな。

 どんなTシャツが、出回っているかというと、
 「におい りない 少煙」
 「園の役員って、」
 「淫」
 「まなつの どっちが とけちゃう?」
 「シーフのあ使ばソーバイス いフのひおらソーバイスが一番」
 「しているらしい」
 「やさしく治してあげまぴゅ!」

 もう、何が何だか訳が分からないっす。
 時代の最先端をひた走っているような若者が、訳の分からない日本語Tシャツをオシャレに
着こなしているんですから、ぶっ飛びます。この手の日本語Tシャツ、アジア方面で大流行しているらしいが、ニューヨークとか、ロスとかパリとか、モードの発信地にも勢力をのばしつつあるとか。

 一番人気は、なんと言っても本物の日本語Tシャツだ。日本語の本場、日本から輸入した日本語Tシャツは、プレミア物。

 「愛は地球を救う。24時間テレビ」

 「ズームイン朝」

 「カメラのアマノ」

 「本日、新台入荷」

 「消費税反対」

 「キリン一番絞り」

 キャンペーンや、イベントで作ったTシャツの残り物が海外に流れ、若者の憧れの的になっている。いやはや、とても複雑なキブンだ。

 海外の観光地に行くと、訳の分からない日本語で歓迎される事がしばしばある。
 「ヤマモトヤマっ」
 「カトチャン、ペッ」
 「コマネチ」
 「ザブトン」
 「アジノモトっ」
 まったく、そんな事言われても困る。どう反応していいか非常に困る。
 「セパタクローっ。」とでも言って欲しいのか。

 こんな風に、日本語は海外ではかなりヘンテコに間違って広がっている。

 こんな間抜けな外国人を、わはははと笑っている諸君。
 我々も同類だと言うことに気付きなさい。
 アルファベットを好む日本人。日本人も訳の分からないアルファベットを身にまとっているのだろう。日本語と英語をゴチャゴチャに混ぜている歌の歌詞を好む日本人。日本人にしか通用しない歌だ。音楽は国境を越えない。

 何より、日本人がイタイのは、訳も分からずクリスマスに大騒ぎすることだろう。
 消費税反対のTシャツを着て、屋台でヌードルスープをすすっているタイのお兄さんより、クリスマスに高級レストランで、マロンチックな気分で、トロンとした目つきで見詰め合っている日本人のカップルの方が気持ち悪い。

 アジノモトっ。

*備考*
 社会的影響を考慮し、あえて夏場にこのテーマを考察しました。クリスチャンではない皆様におかれましても、これを機にクリスマスシンドロームから脱却してみてはいかがでしょうか。
 クリスマスプレゼントは辞退するか、「お歳暮」に名称を変更してもらいましょう。恋人にクリスマスの予定を立てることを迫られた時には、日本語Tシャツの話をして、説得してください。
 ヘンテコ日本語Tシャツをのような、こっけいでトンチンカンな、日本人クリスマス。国際社会の一員として、誇りある日本人として、すっぱりと脱却しましょうよ。

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