サクランボ。
2003/09/02

 
 桜の果実をサクランボと言う。
 「何だ、ンボとは。」と疑問に思いませんか。いとうけんじ、物知りだから、ンボのことだって知ってます。ンボのことなら、オレに聞け。

 桜の子供だから、「桜ん坊」(さくらんぼう)。
 いつの間にか「う」が取れてしまって、サクランボ。

 ちなみに、つくしんぼも同じ言葉の成り立ちをしている。つくしとは、早春に出るスギナの胞子茎のことだが、可愛らしいその姿に親しみを込めて、つくしの坊や、「つくしん坊」と呼んだ訳だ。

 じゃあアメンボも同じじゃないのか。雨が降った後に水たまりに現れる虫を、雨の子供、「雨ん坊」と呼んだんでしょ、と思ったら違った。飴の匂いがするから「飴ん棒」が語源だそうで。坊ではなくて棒でした。

 坊も棒もンボならば、男性器を意味する幼児語「ちんぼ」は、棒の方でしょ、珍棒が語源なんでしょ、ムフッ。と思ったら、またまた違った。ちんぼの語源は、珍鉾だそうで。ちんぼこと読みます。鉾という武器をモチーフにした言葉だった。
 ん、まぁ、武器と言えば武器だな、これは。

 いやぁ、ンボにも色々あるんですね。どうだ、勉強になったろう。

 ンボ。何だか響きの良い音ですな。

 声に出して言ってみよう。ンボ。
 何かの挨拶みたいだね。ンボ。

 道で知り合いに出会ったときは、片手を挙げて、ンボ。相手も微笑んで、ンボ。
 朝礼の時、社長が片手を挙げて、ンボ。そのあと、社員全員が片手を挙げて、ンボ。
 「すみませーん、ボール取ってくださーいっ。ありがとうございましたーっ。」って場面では、さりげなくクールに、ンボ。
 体育会系の挨拶は、力強く、「ンボっす。」
 警察官に職務質問されて、答えたくない時には、とぼけた顔して、「ンボ?」

 不良に絡まれた時には、「ンっっっっっっっ、ボっ」とやるといい。
 ンっっっっっっっ、の部分は、うんこの時に力む時のあの感じで。力を込めて顔をしかめて、顔を左右に細かく振って、ほっぺたをプルプルさせながら。
 ボっ、の部分は、びっくりした時の呆けた顔で、目を丸く見開いて。
 ンっっっっっっっ、ボっ。

 この際だから、いろいろな名詞の語尾に、「ンボ」を付けてみよう。

 バナナとンボで、バナナンボ。こんな名前のデザートがあってもおかしくない。
 「デザートは、ミルフィーユとバナナンボが用意してございますが、どちらになさいますか。」
 「じゃ、バナナンボで。」
 「かしこまりました。バナナンボですね。」

 モバイルとンボで、モバイルンボ。
 おおっ、カッコいい。ポップな感じだね。

 パソコンは、パソコンボ。
 めちゃめちゃ頑丈な感じだ。パソコンボ、落としても壊れません。

 車はクルマンボ。
 宇宙時代の乗り物、クルマンボっ。陽気な乗り物、クルマンボっ。

 コアラは、コアランボ。
 オーストラリアの首都はコアランボ。
 いや、むしろコアランボ刑事か。

 ンボ。
 みんなで流行らせませんか。
 みんなで目指しませんか。
 流行語大賞。

 ンボっ。
  

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