鍋。
この季節はやっぱり鍋だなぁ。体が暖まるし、鍋をつついて冷たいビールをググっと。あー幸せ。ホントは発泡酒なんだけど、ま、ビールのつもりで。くはっ。
鍋の残り汁で雑炊にする。
ご飯を入れて、味を調えて、解きたまごを入れる。うみゃいっ。最高っ。鍋の残り汁は、様々な食材のうまみやコクがたっぷり溶け出している。これだけ天然のうまみ成分が含まれているスープは、そう簡単には手に入らない。作ろうと思って作れるものでもない。鍋の神が我々にくれた、奇跡の贈り物だ。
こんな素晴らしい汁を、全部使い切ってしまうのはもったいない、少し取っておこうと思ったりもする。
しかし、翌朝見てみるとそれは、残飯の浮かんだ薄汚くよどんだ不気味な汁にしか見えない。うげげっ。もう、ドブ並み、ゲロ並みの汚らしさだ。食べたら美味いのだろうが、とてもそんな気にはならない。
その時その場所で、その雰囲気だからこそ美味く味わえる料理と言うものが世の中には沢山ある。
例えば、キャンプの時の芯の残ったごはんと、シャビシャビのカレー。あんなものがレストランで出てきたら、テーブルごとぶん投げてしまうだろう。キャンプだから美味いと思う訳だ。
鍋の後の残り汁も、その時に雑炊にしなければその価値を失ってしまうのだ。
オレはここに人生の真理を見出すことが出来る。
その時、その場所、その瞬間にしか出来ないことが沢山ある。今やるべきこと、今しかやれないこと、今だから価値があること。そんな貴重な「今」の積み重ねが人生である。
ふっふっふ。オレってカッコイイ。いい事言うなぁ、オレ。
しっかり生きろよっ。
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