ナイトライダー。
2003/12/23

 
 我が家には、白い熊のぬいぐるみがある。
 お腹を押すと、「I love you」と喋る。

 今日、仕事が一段落した。今月は色々大変だったよ。
 「I love you」

 だから今日は、発泡酒じゃなく、ビールを奮発したよ。
 「I love you」

 景気は上向きって言うけどさ、オレの財布には全然関係ないよな。
 「I love you」

 喋れるとは言え、まったく会話は成り立たない。むなしい時間がそこにあるだけだ。

 ナイトライダーって知ってるかな。
 昔アメリカで放送されていたテレビドラマだ。マイケルという男が、トランザムという超カッコいい車に乗って、悪いヤツをやっつけるという内容。この黒いトランザム、車のくせに会話が出来るという設定だった。

 マイケルが、「やあ、キット。元気だったかい?」と話しかけると、
 「オハヨウゴザイマス。マイケル。」と、いかにもって感じのメカニカルな声で返事をする。
 マイケルと一緒に、悪者と戦うための作戦を考えたりする。マイケルの恋の悩みの相談にも乗る。他愛もない、世間話のお付き合いもする。
 いざとなったら、自分で勝手に走る。飛んだり跳ねたりマシンガンをぶっ放したりもする。車のくせに、自分の意思で動いて、悪者をバッタ、バッタとやっつけるのだ。

 ま、今で言うところの人工知能、いわゆるAIですな。人格を持っているんです。人格のあるトランザム。

 ナイトライダーが放映されていた当時は夢の話だったが、現在はアイボが作れる時代。そろそろ本当に作れるんじゃないのかな。

 どこかに行くわけでもないのに、ナビを付けて、友達も家族もいないのにミニバンやワンボックスに乗っている寒い人が、世の中には沢山いる。
 そこにナイトライダーのマーケットがある。
 喋る車。恋の相談に乗れる車。寂しいあなたの話し相手。人格のある車。
 
  よう、相棒。今夜はどこに行こうか。
 「愛し合う二人が行く所といったら、決まってるじゃない。」
  えっ? 
 「ん、もうっ。そんな恥ずかしい事をアタシから言わせないでっ。」
  ええっ?
 「ん、もうっ。鈍いんだから。ラブホよ、ラ、ブ、ホ。」
  マジっすかぁぁぁ。まだ納車してから三週間っすよっ。
 「今夜は一晩中アタシに乗ってっ。うふっ。」
  うひゃーっ。乗っちゃう、乗っちゃうっ。アクセル全開で、ブイブイ言わしちゃうぞぉぉぉっ。
 「今夜は、アタシの体を熱くしてぇぇぇぇぇっ。」

 絶対に売れると思うけどな。AI自動車、ナイトライダー。

 この際、車だけでなく、いろいろな物をAI化してみよう。
 AIテレビ
 AI冷蔵庫
 AIスニーカー
 AI携帯電話

 イイね、AI携帯電話。
 誰からも、メールも電話もかかってこないのに、携帯電話持っている人がいる。
 たまには、「ゴメン、今、電車の中だから。後でかけなおすから。」とか、言ってみたい訳ですよ。小声で「え、そんな事言えないよ。しょうがないなぁ、アイシテルよ。」とか、言いたい訳です。
 そんなあなたのAI携帯電話。いつでもどこでもあなたの話し相手になってくれます。

 AI携帯電話。売れると思うけどな。
 商品名は、「AIモード」。アイモードと読みます。もしくは「愛モード」か。
 

Produced by 110kz.com

Sponsor Site