シャックリ。
2004/03/09

 
 シャックリが出る。
 人は横隔膜が上下に動いて肺を伸縮させて呼吸している。シャックリとは横隔膜が不随意性の痙攣をしている状態だ。痙攣により、急激に空気が流入するために、気管の途中にある声帯から音が出てしまう。生理学的にきちんと真面目に説明できる生理反応の一つである。だから、笑うな。

 生きている以上、様々な生理反応が起こる。時にはユーモラスで、笑いを誘いがちな生理反応もあるが、でもそれは別にウケ狙いでやっているわけではない。体はいたってマジメに生きるための作業をしているだけだ。だから笑ったり馬鹿にしてはイカンと思う。おならも、うんこも、ゲップも、大切な生理現象だ。生きている証だ。あなたの手のぬくもり、命ということ。だ。

 ヒック。

 あ、でもシャックリは体に必要な生理現象ではないか。これはどらかと言うと、トラブルに分類できる現象だな。横隔膜が正常に機能できない、ちょっと困った状態。

 ヒック。困った。

 子供の頃、「シャックリがずっと止まらないと、呼吸困難になって死ぬ。」という都市伝説がまことしやかに浸透していた。本当かどうかは定かではないが、呼吸器のトラブルであることには違いがない。もし本当ならイヤだな。そんな死因で死にたくない。

 ヒック。

 苦しい。
 だから、笑うなっつーの。

 あ、止まったかな。
 スー、ハー、と深呼吸。
 ヒック。
 勘弁してください。

 おならはスカすことが出来るし、ゲップもサイレントにする事が出来る。しかし、シャックリはタイミングが予測できないし、自分の意思ではなんともならない。しかし、世の中にはシャックリをしてはいけない場面が沢山ある。お経を読んでいるお坊さんとか、国会答弁中のソーリダイジンとか、判決の時の裁判官とか。シャックリしながらでは、何かふざけているみたい。真面目にやれっ、って感じだ。

 裁判官とか、どうしているんだろう。

 思うに、シャックリをピタッと止めるヒミツの技が、実はあるのではないだろうか。オレたちのような平民には伝授されていないが、VIPクラスの人だけが授かる特別な情報として、シャックリ止める方法ってのがある気がする。
 その地位に就任した暁には、厳重に警備されたヒミツの部屋で、国家の黒幕的な人から、その技が伝授される。そして、それは絶対に他言してはいけない。一般国民には、絶対に知られてはいけない。一般に広まったら国家が転覆するぐらいの、すんごい技なのだ。

 何故、シャックリを止める程度のことが、それほど重要機密かって?

 知るわけないだろっ。オレはVIPクラスの人間じゃない。

 関係ないが、寒い所では、息が白くなるのと同じように、おならも白い湯気になるらしい。上手にスカしても、おならがモワッと見えてしまうらしいんだな。
 見えるおなら。
 語呂がいいね、ふえるワカメみたいで。

 いや、そんな事はどうでもいい。

 ヒック。

 オレのシャックリ止めてください。
 

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