日本人の身長が伸び続けている。
戦後から現在までに、10cm以上は平均身長が伸びている。食生活の乱れや、社会的ストレスの増加で、平均身長の増加は頭打ちで伸び悩んでいると言われているが、それでも減少する事はなく、微増ながら伸び続けている。
栄養学や生理学の分野では、身長を伸ばすための方法論がほぼ確立されていて、その方法論に基づいた生活をすることによって、まだまだ平均身長は伸ばすことが出来るといわれている。いずれは欧米並みの体格を、日本人も手に入れることになるだろう。
と、ここまでは戦後の話。
戦後よりももっと昔、明治時代とか、江戸時代とか、もっと昔からの日本人の平均身長の推移はどうだったのだろうか。その謎を紐解いてみると、実に驚くべき事実がそこに存在する。
日本人の身長は、古墳時代を頂点にその後一貫して低くなり続けており、江戸時代末期から明治時代初頭にかけて、最も低くなっていたのである。その傾斜が逆向きになったのは明治に入ってから。つい最近の話だ。日本人の歴史は、縮む身長の歴史だったのだ。
これについてはオレは一つの仮説を設けることが出来る。
日本人の食文化は、弥生時代を界に狩猟から農耕中心の定住型に移行していった。生活の糧となる食料を農作物で確保する。もちろんそれは一年のうち一定の期間しか収穫が出来ないのだから、それ以外の時期は、蓄えを食いつないで生活をするしかない。
にもかかわらず、農耕栽培していた作物は、安定して収穫を確保するのが大変困難なものが多かった。ちょっとした天候不良や疫病などがあれば、たちまち収穫高が激減してしまう。このような収穫不良が数年続けば、それはそれは悲惨な飢餓が日本人を襲ったのである。
少ない食料で効率よく生き延びるためには、小さい体の方が有利である。
基礎代謝量の少ない小さい体がベスト。加えて効率よく皮下脂肪としてエネルギーを蓄積しやすい体質であれば、よりベスト。厳しい食糧事情の中、世代交代を重ねるにつれ、より効率の良い体へと最適化をしていった結果が、低身長化だったのだ。
チビ、デブが一番良かったんですな。
江戸時代には、髪の毛も剃っていたから、ついでにハゲ。
三重苦。
明治以降、農業技術や医療技術が飛躍的に向上したため、日本人の身長は再び伸び始めたのだ。
ほぇーっ。知らなかったなぁ。
すげー勉強になりました。
もし、日本人の平均身長がそのまま縮み続けていたとしたら、今頃どれぐらいになっていたろうか。130cmぐらいかな。いゃ90cmぐらいかも。それはそれで、カワイイな。
今風に言うとあれだ。
プチ日本人。
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