暴れん坊将軍。
2004/06/08

 
 暴れん坊将軍。
 時の最高権力者が、お忍びで庶民の生活に紛れ込んで、悪い奴を懲らしめるという内容の時代劇である。

 登場人物は全員、主人公より身分が低い。悪事に苦しむ平民も、悪徳商人も、悪代官も、将軍よりうーんと身分が低い。つまり、このドラマは、すべての人たちを「上から見下す」視点で描かれているのである。相手が将軍様とは知らず、馴れ馴れしくタメ口たたいたり、喧嘩を売ったり、しんのすけ様のバカっと言ったりする庶民どもの姿を、上からの視点で、ムフフと眺める。

 この「見下す」という行為が、痛快で快感なのである。
 つまり、人の心理の奥の権力崇拝や、差別的な感情を、上手にくすぐるシナリオ構成となっている訳だ。この差別的感情は、誰もが本能的に持ち合わせているものである。だから、この手のドラマは普遍的に多くの人たちに支持される。

 あなたの心にも、もちろん差別感情がある。あなたが、どのような奇麗事を並べて、自分は違うと否定してもダメ。誰もが醜い本能を持っている。これは人間の本質だと言って良い。人間はみーんな醜い。

 それでもオレは、「人間はダメだ。」とは思わない。醜い部分を持っていても、他人にやさしくできるし、他人をいたわる事ができるし、他人の痛みを理解する事ができる。
 大切なのは、自分自身の心の中にも醜い部分があるという事を知り、その感情に支配されないように注意を払う事だ。

 人は善良ではないが、善良に生きる事はできる。

 おおおっ。何か、哲学的っ。カッチョイイっ。

 ちなみに、オレも善良ではない。欲望の塊だ。歴史人物並みの知名度と、大統領並みの権力が欲しい。街を歩けば、街中がパニックになり、交通が完全にマヒしてしまうぐらいの、国民的アイドルになりたい。

 で、お忍びで電車とか乗ってみたい。
 で、うっかり帽子とか、サングラスをおっことしちゃって。
 で、イトウケンジだってことが周りにバレちゃって。

 「きゃーん。イトウケンジ様ぁぁぁっ。」
 「いゃーん。ホンモノぉぉぉっ。」
 「サインください。あ、書くモノがない。ここんとこに引っかき傷付けてくださぁぁぁい。」
 「私は、キスマークでいいですぅ。付けてくださぁぁぁい。」
 
 わたしもー。きゃーん。
 おねがいー。うふーん。
 
 って。若い女性たちに、キャーキャー言われて、揉みくちゃにされて、おっぱいとかギューギュー押し付けられまくりたい。

 うひゃっ。

 こんなオレでも、善良に生きることができる。
  

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