今は昔。
2005/02/08

 
 今は昔、竹取の翁と言ふものありけり。

 かぐや姫で有名な竹取物語の冒頭だ。
 こんな風に、昔の文章の中には、「言う」を「言ふ」と表記あるものが多々ある。これは、文字に対する読みが確立する前の表記法で、「言ふ」と書いてあっても「言う」と読むのが正しいのだと、学校の授業では教えられた。

 しかし、調べてみると、日本の古語では「言ふ」の部分はそのまま「言ふ」もしくは「言ぷ」と発音していたらしいのだ。これは日本語のルーツの一つである韓国語で、口を「イッ(プ)」と言うことと関係しているらしい。

 現代に至るまでに言葉が訛り、いつの間にか「言う」になってしまった。語感としては「言ぷ」の方が趣や味があって良かったのに。うーん、残念。

 ところで「言ぷ」の活用形はどうしたらいいのかな。

 「言った」は「言っぱ」かな。

 「言わない」は「言ぱない」。

 「言います」は「言ぴます」。

 「愛してるって言って」は、「愛してるって言っぺ」か。

 こんな言葉を使っていたら、何だか他の言葉にも「ペ」とか「ぱ」が混じってしまいそうだ。

 「ぽう、ぴないって、言っぱぴゃない。」
  (もうしないって、言ったじゃない。)

 「ぱんだと、ぽうぴっぺん言っぺぴろ。」
  (何だと、もういっぺん言ってみろ。)

 「ぴ、ぴぱく。」
  (子曰く。)

 「判決を言ぴぱたぴまぷ。」
  (判決を言い渡します。)

 うははは。緊張感ゼロ。頭悪そうだな。でも、何だか能天気で平和的で楽しそう。もし日本語が、こんな風に、パフパプ、ピプピプだったら、日本の民族性や文化も全然違ったものになっていただろう。もっと明るくて、もっと陽気で、ラテン系の日本人になっていたはずだ。

 それに、こんな言葉だったら、普段恥ずかしくて言えないようなことも、言えそうな気がする。

 「おい、ぱいぴぺぷぽ。」
  (おい、愛してるぞ。)

 「えっ何?、おっぱいがどうしたって?」

 恥ずかしくはないが、残念ながら意味も通じない。

 日本語は奥が深いですな。
 

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