ついさっきまで、カンカン照りのジリジリとした真夏だと思っていたら、突然黒い雲に覆われて。ほんで、いきなりビカっと光って、「ガシャーン(仮)」と雷が。ほんでタライをぶちまけたような大雨がズンドコ降ってきた。
間近で鳴る雷の音っちゃ、どう文字で表現したらいいだかね。「ガシャーン」じゃあの音は表現しきれていないだよ。「ビシャーン」つうか、「キャシャーン」つーか、「ズドカンッ」つーか、そういうのが全部一緒になった感じで。まぁ、たいがい怖かった。
ちょうどその頃、オレは何をしていたかというと、トイレでナニをしていたんだよ。ほんで、ピカピカ、ゴロゴロいいだしたものだから、ナニもそこそこに、急いでトイレから出ることにしたんです。
雷は、建物の中にいたら、たいていは大丈夫なんすわ。けれど、雷の時は水は厳禁。近くに雷落ちたら、水道管の水を伝って感電することがあるので(と、小さいころからイトウ家では教えられていた)、洗い物も、風呂も絶対禁止なんですよ。
トイレでナニをした後は、ウォシュレットでシャーと洗いたいじゃないですか。あのシャーがなければ、もうトイレから出たくないぐらい、絶対の必需品で必須行為。遠くでゴロゴロいいだしたんで、もうあわてて、シャーです。もし、このウォシュレット経由で感電したら、もう、大変ですよ。救急隊員が搬送するのは、パンツ半分脱いで、お尻黒焦げの、フランシスコ・ザビエルですよ。
そうならないために、雷が来る前に、キレイにしてしまおうと必死でウォシュレットでシャーしていたら。
ビカっと光って、同時にギャシャーンとスゴイ音が鳴った。
「ひゃー、近いっ、落雷だ、ケツから感電するぅぅぅっ」
って、思わず体が逃げた。
ほしたら、ウォシュレットが噴水になって、体がずぶ濡れになった。
長々と書きましたが、ウォシュレットでずぶ濡れになったと、ただそれだけの話です。
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