breeze
〜風〜

見渡す限り果てなく、草原が広がっている。
風が幾筋もの細い道となって、柔らかな草の上を這って行く。
草の揺れる音と、大気が震える音だけが、止むことなく響いている。
世界の果てまで、同じ景色が続いているかのような錯覚を覚える。

ずっと昔から、同じように草原を揺らして風は吹いていたのだろう。
そして、これからもずっと。

いや。
ここには時間は存在しないのかも知れない。
今が永遠なのだ。

私は風になる。

fy